季節限定のお洒落は着物の醍醐味。「秋の柄」の着物や帯を集めました。
>>季節を楽しむ「秋の柄」コーナー
友禅作家・湯本エリ子さんの九寸帯作品です。
世界三大紅葉樹のひとつとされる「錦木(ニシキギ)」。
落葉低木で、真っ赤に燃えるような紅葉を見せる姿がとても印象的で、その名前も紅葉の美しさから付けられたそうです。
枝にコルク質の翼(ヨク)がある特徴でご存知の方も多いことでしょう。枝の表皮を突き破って伸長するコルク質のリズムが大変おもしろく、こちらの作品にも表現されています。すらりと伸びる葉に隠れるようにして、楕円形の実が2つずつ、寄り添う姿も愛らしく、画面のリズムを高めます。
色数を限り、彩りに黒やグレーを必ず入れて画面を引き締めるのが、湯本エリ子さんならではの色使いです。優しく甘い印象になりがちな植物文を、きりっとシャープに存在感を高め、上質感のある大人の植物文に仕上げています。
季節限定のお洒落は着物の醍醐味です。
秋のお集りや会食へ。
江戸小紋、小紋、織着物に。
湯本エリ子さんについて
湯本エリ子さんの魅力は、花草を抽象的にデザイン化した独特の感性。
季節ごとにデッサンする花草を、そのまま下図にするのではなく、その中から潜在的に一番印象深い草木の特徴を見極めて、抽象的なかたちで表現する湯本エリ子さん。色数を限り、モノトーン調に抑えられた色彩が存在感を際立たせ、統一感のある清々しさを醸し出しています。