江戸小紋師 菊池宏美さんが染め上げた九寸帯作品です。
【作家コメント】
江戸小紋 九寸名古屋帯「大津絵」
今年で傘寿を向かえた伊勢型紙の彫師 内田勲氏。
内田氏が手掛けた、“大津絵”
ユニークな表情の大津絵の背景には、
こちらも動きのある松竹梅を配し個性的な帯の表情に。
大津絵とは滋賀県大津市で江戸初期から、東海道を旅する旅人向けの土産物として描かれた庶民絵画です。「旅の安全」を守る護符として喜ばれました。
柳宗悦やピカソも注目し、風刺画として、アートとして欧米でも再評価されています。
こちらは、太鼓柄には「奴」「寿老人」など、前柄には「鬼の寒念仏」があしらわれています。全体には竹笹の葉が背景にほどこされ、前柄には松葉と梅があり、全体に「松竹梅」となっている、大変凝った仕上りです。
帯を主役にお楽しみいただきたい作品です。
江戸小紋や小紋、織着物に合わせて。
【工房見学に行ってきました】
群馬県伊勢崎市にある菊池さんの工房「よし菊」を訪問。師・藍田正雄さんから譲り受けた宝物であるモミの木の長板や、制作の様子をぜひご覧ください。
>>工房見学レポートはこちらから
菊池宏美さんについて
江戸小紋の第一人者・故・藍田正雄氏に師事後、独立。現在は個人工房「よし菊」にて新たな江戸小紋の世界を広げ、伝統工芸展で数々の入選を重ねる実力派。藍田氏の「今のものを作れ」「平成の江戸小紋を」という言葉を胸に、 今の時代に映える江戸小紋の創作に果敢に取り組んでいらっしゃいます。 大学を卒業後、大手電機メーカーに入社し第一線で活躍していたある日、藍田正雄氏の作品に出会って運命を感じ、すべてを投げ打って弟子入りを願いました。約13年間の修行の後に師の言葉に後押しされて独立、5年後の2016年には銀座もとじでの初個展を開催。型紙の選び方や扱い方、染のトーンと色使い、生地との組み合わせなど、昔ながらの伊勢型紙の紋様をベースにしながらも、創造性あふれる新しい江戸小紋を作られています。
【作家産地】「菊池宏美」ご紹介