人間国宝 玉那覇有公さんの夏ものの九寸帯作品です。
紅型らしい力強い彩りで染められた、存在感の高い横段模様。無地場は黒地で、全体にきりっとシャープなセンスが大変印象的です。
素材は「夏牛首」。
石川県白山市白峰地区(旧白峰村)に今も織りつがれる牛首紬。名前は、その白峰村が明治初期まで牛首村と称されていたことに由来します。 しなやかで、シワになりにくい、独特の地風。釘が抜けるほど丈夫なことから別名「釘抜紬」とも言われます。玉繭という、ひとつの繭に二頭の蚕が入った繭から採れた糸を緯に、経に通常の絹糸を使用して織り上げられた絹布で、さらりとした生地質の中にわずかに節糸が感じられるのが特徴です。
単衣から盛夏の小紋や紬、麻、綿着物に。
上等な上布にも映える一品です。
玉那覇有公さんについて
玉那覇有公(たまなは ゆうこう)さんは1936年、沖縄県石垣市に生まれました。琉球紅型宗家・城間家14代である城間栄喜さんに師事し、琉球紅型の第一人者となられ、1996年 重要無形文化財「紅型」の保持者(人間国宝)に認定されました。
玉那覇有公さんについてはぜひこちらもお読みになってくださいませ。城間栄喜さんの長女である奥様との運命的な出会い、それから始まった紅型の世界、人間国宝になるまでの奥様との二人三脚のものづくり人生を取材させていただきました。
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